私が邱さんの本を読みだした頃のノートに、

「マンションにするか、一戸建てにするか」
と書いたメモが貼りつけています。
そんなことを書き、わざわざノートに貼り付けたのは
邱さんの本を読んだことの影響です。

私は、家を持つということは、
一戸建ての家を持つことだと考えていました。
 

ところが、邱さんの本を読んでいるうちに、
邱さんが都心から遠く離れたところよりも、
仕事場に近いマンションに住むことを推奨していることを知りました。

なぜマンションを推奨するかといえば、時間の節約です。
仕事を大切にする人間は時間を大切に考える人間で、
そういう人にとっては通勤に時間がとられる郊外の家より、
狭くても都心に近い住居のほうが良いというのが
邱さんのアドバイスでした。

なるほど、そういう考えもあるかと思って、
私は一戸建ての住まいのほかに都心部のマンションも含めて、
自分の住まいを探求したわけです。

白紙の紙に
「マンションにするか、一戸建てにするか」と書いて、
すぐに頭に浮かんだことは、
自分に買えそうなマンションはやっぱり狭過ぎるのでないかなあ
という印象でした。

育ち盛りの子供たちとの生活には
多少ユトリのある空間が必要と思いました。
 

もう一つ、私は本社のある東京と
製鉄所がある地方の間を動きまわる転勤族の一人です。

住居を手に入れる際には、
会社から借金をすることが計算の中に入っています。

もし、マンションを買ったらすぐ社宅を出て
マンションに移らねばなりません。

子供にとって転校が必要になる公算大です。
ところがマンションに移った直後に
オヤジの転勤がある可能性もかなり高い。

そうなったらまた転校で、子供も大変だろうと考えました。
マンション住まいは自分には向かいないというのが私の結論でした。